Object design rough talks に参加した

前日の勉強会(記事) に引き続き、 Object design rough talks という会に参加しました。

割と誰でも参加できそうな前日とは違い、オブジェクト指向設計ドメイン駆動設計についてある程度知っている人が対象の集まりです。また、「rough talk」と銘打ったり、イベントのページに「rough」の翻訳が書いてあったりと、やたらとラフである事が強調されていました…。

そんな内容に殺伐とした空気を感じつつ、定時過ぎにこっそりと会社を抜けて参加してきました。

内容

最初は t_hyssh さんの、オブジェクト指向養成ギプスの話。コーディングルールを用意し、それに従ってコーディングする事でオブジェクト指向を習得する話でした。基本的には ThoughtWorks アンソロジー にあるエクササイズ (参考: http://d.hatena.ne.jp/akkt/20080424/1209051266) を元にカスタマイズした物だそうです。

次に yaakaito さんの、ドメイン駆動設計を実際に取り入れた時の話でした。他の方と違い、基本的にはスライド無しという、「ラフ」という言葉が一番ふさわしいセッション…。

三番目は uzzu さんの、オブジェクトで会話する話。ドメイン駆動設計を実践した体験を元にして、「ユビキタス言語の会話を通してユビキタス言語を成長させる話」と「ドメインモデルをインフラから死守する話」がテーマとなりました。

最後に、 rosylilly さんの DCI の話。何よりも、引き込むようなプレゼンでした…。が、最後のコードは理解する前に閉じられてしまったのは秘密です…。

ちなみに、現時点ではプレゼンを公開されているのは見つけられませんでした。

感想

全体的に、それぞれ個性があってインパクトが大きかったです…。ただテーマが割と聞いた事のあるような内容が中心だったので、何も知らない状態で臨んだ前日の iOS の話と比べて、ひとつひとつの発表自体に対する印象は薄いです。

内容としては、個人的には uzzu さんの話が印象的でした。基本的には「エリック・エヴァンスドメイン駆動設計」に書かれてある事と内容が被ります。ただ「ドメイン駆動設計」は理論の本で抽象的なため、実感を得るのが難しく、いざ適用しようとすると中々手が出せないのが欠点です。今回の話は日本の身近な企業でドメイン駆動設計をかなり忠実に適用した話で、「ドメイン駆動設計」を補完するような良い話だったと思います。

ただ一方で、ドメイン駆動設計をそのまま実践するには依然難しい点があるように思いました。そこで、個人的には、その中で、「コードと会話の言葉を統一する際に生じる、日本語と英語の変換のコスト」について気になったので、質問をしてみました。

が、個人的は撃沈…。あまり整理せずに質問してしまったためなのですが、ちょっと違う方向になってしまいました。「英語で書くと間違いとかが気になってしまう」とか言ってしまったのでしょう。「勇気を持って英語を書くべき」「間違っても良いじゃない」と言われて、まあおっしゃる通りなのですが…。

ここら辺は時間と落ち着きと勇気があれば、もうちょっと踏み込んだ話をしたかったなあ。

余談ですが、(環境と状況によると思いますが)チーム開発ならシステムテストを日本語で書く事を検討するべきと思っている派です。(参考: http://www.slideshare.net/kenjikumaie/ss-25876730)